ダマスクローズは南西アジア原産で、装飾用の植物と考えられていました。
その名前の由来はダマス、ペルシャの都市の名前です。1254年頃に十字軍遠征を終えてペルシャからヨーロッパへ帰る際、十字軍を指揮したロベール・ドゥ・ブリーがその香りと美しさに魅了されて持ち帰ったと言われています。
産業としてのバラの栽培はインドとエジプトで9世紀に始まっていましたが、
エジプト人はそれ以前にもミイラの保存のためにバラのエキスを使用していました
また、バラの純粋なエキスを世界で初めて蒸留したのはアヴシエンヌというペルシャの医師だと言われています。
17世紀、バラはブルガリアに渡り、“バラの谷”での栽培が始められました。
ダマセナローズの名声は現代では世界中に知られており、記録されている5000種ものバラの中で最高のものとされ、ブルガリアの人々の国花となっています。
バラの花の構成分子は300近くに及びます。その中には化学的に合成できないものも含まれ、バラの花でしか作り出せない価値が生まれるのです。
200年以上前から続いているバラの収穫は、養成を受けた者だけが行うことのできる、確実さと正確さが求めらる作業です。バラの花が年に一度だけ、春の20日間だけしか収穫することができないからです。
開花してから20日から30日間経った時、収穫は早朝に始めます。(5時から9時の間)
朝露が蒸発する前に行わなければオイルは多量に取れません。新鮮さを保ち、繊細で消えやすい性質のエッセンスを逃がさないようにバラの花びらを丁寧に採取、摘んだ後は貴重な成分を失わないよう、すぐに加工します。エッセンス製造には花弁を摘んでから数時間のうちに蒸留しなければなりません。なぜなら花弁は熱、運搬、光にとても弱いからです。
ダマスクローズは化粧品としての価値だけでなく、体の内面の美しさにも貢献してくれます。
ヴァルセナの「ローズEX」はダマスクローズの花びらで作られた100%天然のドリンクです。ローカロリーで、長年様々な効能を認められてきました。消化を助け、胃の状態を安定させる効果、体と心をリフレッシュする効果があり、さらには毒素を体外に排出して体を清浄にするともいいます。
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(フランス国内限定)
昔からバラのエキスは万病に効くとされていました。古代では医療用、さらには超自然の施術にも使われていました。現代ではコスメ、美容、そしてリラックス効果という分野で認められています。
ローズオイル、ローズウオーターとして化粧品に使用すれば、肌細胞を再生することによって肌にハリ、みずみずしさ、明るさをもたらします。肌の細胞の生まれ変わりを助け、エイジングケアアイテムとしての効果も期待できます。
また、バラの花弁の天然成分はタンニン酸、没食子酸を豊富に含み、優れたトニック効果、収斂効果をもたらします。鎮静、消炎、赤みを防ぐ効果もあり敏感肌にもご使用していただけます。
バラの谷はブルガリアのバルカン山脈とスレドナゴラ山脈の間にある地方にあり、その中心都市はカザンラクといいます。
その気候的条件と土壌がダマスクローズに適していたために、栽培は成功しました。
このバラの谷で17世紀から採用されている栽培技術のおかげで、花は導入された当時の姿を今も保っているといいます。
ブルガリアのバラ農家には「ケスメ」と呼ばれる独特の耕作方法があります。夏の間に適度な湿度のある土壌になるよう、また冬は根を守るために一年を通じて土を耕します。
特殊な気候条件に加え、三世紀にも渡るバラの栽培とローズエッセンス作りの豊富な経験があるからこそ、ブルガリアのバラは「ローズ・アプソリュ」、本物のバラと呼ばれるのです。この花の細胞組織、生理学的性質は他のバラとは異なっています。
アプソリュ・オイルは蒸留、そして「アンフルラージュ」と呼ばれる、冷浸法によって作られます。これは数メートルの高さのある銅と鋳物のタンクの中で強い蒸気を当てる方法です。周囲の空気はバラの香りに満ちていきます。どのタンクにもバラの花弁と精製水が詰められており、しばらくすると表面に淡い黄色の、貴重なオイルの層が現れます。その部分をすくい取り、濾して、加工します。できあっがたオイルはガラスの容器に保存、昔と変わらず蝋でふたをします。
アプソリュ・オイルを1リットル採るためには3トン以上の花弁が必要です。
そして現在もまだ、300種もの分子から成るバラの天然エキスに似た成分を化学的に産業として作りだすことに成功していません。